心療内科ってなに?
心療内科は、近年標榜科として認められた新しい科です。一体どういう病気をみるところなの?精神科との違いは?と、まだよくわからない方も多いのではないでしょうか。特に近年は、精神科の先生が心療内科を標榜する傾向にあり混乱を招いています。
心療内科と精神科は重なる領域もありますが同じではありません。心療内科の専門的な知識と技能を必要とする領域もあれば、精神科の医師でなければ十分な治療のできない領域もあります。
では、心療内科で特に対象となる病気はどのようなものでしょうか。それは、発症と経過に心理・社会的要因が密接に関連したもの、具体的には、気管支喘息、胃十二指腸潰瘍、胃炎、アトピー性皮膚炎、自律神経失調症、めまい、立ちくらみ、冷え性、生理不順、更年期障害、頭痛、肩凝り、不眠、易疲労、過敏性腸症候群、過呼吸症候群、パニック症候群、拒食症、などです。
ここに挙げた病気は、精密な検査で異常所見として捉えられるものもあれば捉えられないものもありますが、いずれの疾患にも共通していることは、その原因が、患者さんの性格、嗜好、食生活、人間関係などによるストレスと関係しているということです。心療内科の病気の治療を考えるとき、この身体-心理-社会的な視点、つまり全人的な視点が欠かせません。身体的には内科的な治療を、心理ー社会的な問題があればカウンセリングをはじめとする心理療法、家族療法などを行います。