「巣ごもり疲れ」に気を付けて

 

新型コロナの緊急事態が宣言されて2か月が経とうとしています。活動自粛で、すっかり家に引きこもる「動かない」生活が続くようになりました。勉強もお仕事も自宅でするという、つい数か月前までは考えられなかった変化を私たちは強いられています。この変化は、新たな生活様式の到来を予感させはしますが、そのいっぽうで、さまざまな心と身体の変調をもたらします。その一つが、筋肉の萎縮です。筋肉は、常に現状に適応しようとします。日々お仕事で身体を動かしたり、一生懸命運動したりすると、それに合わせて筋肉は増えていきますが、「動かない」生活ではどんどん萎縮していきます。これは、みなさん、実感していることと思います。では、その何が問題なのでしょうか。身体が重い、ちょっと動くと疲れる、心臓がドキドキするといったことが、すぐに思いおこされるでしょう。これは、筋肉の萎縮による直接の影響で、「ああ、動いてないからだな」と認識できることです。でも、それだけではありません。東洋医学的な考え方では、筋肉は肝によって支配されています。肝は臓器としての肝臓よりもっと広い概念で、肝臓の機能である物質の代謝や解毒などのほかに、血液の貯蔵、感情のコントロール、そして、筋肉を養うという働きがあります。肝とこれらの機能との間には相補的な関係があり、どちらか一方が障害されると他方も無事ではいられません。つまり、「動かない」ことで筋肉が萎縮すると、肝の機能全体が弱ってしまうのです。その結果、倦怠、憂うつ、イライラ、血色不良、冷え性といったさまざまな症状が出てきます。巣ごもり生活の中で、こういった症状を自覚されている方は多いのではないでしょうか。巣ごもり生活の中に、動くと動かないのメリハリをつけ、日々運動を意識し筋肉の萎縮を防ぐことで、さまざまな症状を改善することできます。運動の大切は、こういったところにもあるのですね。