「コロナうつ」「コロナ疲れ」に打ち克とう!

 

新型コロナ感染症が長引くにつれて、「コロナうつ」「コロナ疲れ」といった精神面の問題がクローズアップされてきています。これは、新型コロナ感染症そのものへの不安と、その社会状況がもたらす不安の2つから成ります。前者は、志村けんさんの死去をきっかけに増大しており、「感染したらどうしよう」「私も死ぬんじゃないか」といった不安であり、後者は、社会活動の自粛やデマによる不安と疑心暗鬼から、「職を失うかもしれない」「マスクが手に入らないんじゃないか」といった不安です。

これらは、初期には、PCR検査を求めて保健所に殺到するとか、店頭からマスクがなくなるといったパニック的な現象として現れますが一時的なもので、長引くにつれて、落ち込み、疲れ、だるさ、軽度の身体不調といった慢性的な心と身体の不調として現れてきます。5月初旬の今は、ちょうどその時期といっていいでしょう。

こういうことがなぜ起こるのでしょうか。それは、直面するウイルスが未知ものであるという「不見性」と、人間のストレス耐性に時間的限界があることによります。

人間は、先が見えないと、とても不安になります。住み慣れた自分の部屋でも、電気を消して真っ暗にしたら、それだけで不安になるでしょう。また、ストレスに対処する能力は、体内でストレスホルモンが分泌されることにより発揮されるので、時間の経過とともに分泌が枯渇してくれば対応できなくなります。どのくらいの期間で耐えられなくなるかはストレスの種類と強度によりますが、今回のような長引く感染症の場合は3か月ほどが限度でしょう。

では、どうすればいいでしょう。

まず、「不見性」が問題であるのだから、見えるようにすればいいのです。これはつまり、このウイルスがどういうものであるか、どう行動すれば感染を避けられるかを客観的に、冷静に判断することです。それには、正確な情報を得ることが何よりです。でも、テレビをつければワイドショーは不安をあおってばかりです。ワイドショーは見ないのがいいのかもしれません。情報弱者にならず、絶えず正確な情報を得るよう心掛けてください。ストレス耐性をできるだけ維持していくためには、熟睡、規則正しい食事、適度の運動、リラクゼーションです。自粛自粛でストレスの多い毎日ですが、自分を見失わず、今過ごしている時間をいかに大切に過ごすかということを心掛けてください。できる範囲で、よく眠り、おいしいものを食べ、かけがえのない家族、友人、恋人との時間を、こういうときだからこそ大切にしてください。PCR検査も大切ですが、そうした日々の積み重ねが、ひいては新型コロナ感染症に打ち克つ早道なのです。 

 

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