もりしたクリニック webレクチャー (2)
(2)心因性視力視野障害
心因性視力視野障害は、眼球から大脳に至る視覚路に異常がないにもかかわらず視力が衰えたり視野が欠けたりする病気です。
年齢と性別
幼児、学童期から思春期、年齢的には7〜10歳くらいの小学生に多く見られ、女児が男児の約2倍の頻度で発症します。
病院にかかるきっかけ
本人が「見えにくい」と訴えることは少なく、学校での健康診断で視力低下を指摘されることによって発見されることがもっとも多いです。また、顔面への打撲など、眼症状とは直接関係ないことで病院を受診し、念のために行った視力検査でたまたま発見されることもあります。
症状
視力障害、視野障害、色覚異常、複視、眼通などが、単独または複合して発生します。
視力障害はもっとも頻度が高く、その程度は中等度で、メガネで矯正しても十分な視力が得られません。裸眼視力で0.1〜0.3程度であることが多いのですが、状況により視力が変化する傾向にあります。たとえば、好きなテレビを見ているときは視力が改善するなどです。
視野障害では、らせん状視野狭窄と言われ、検査を繰り返すごとに狭窄の程度が増して行くのが特徴的ですが、全例に認められるわけではありません。これも、よくなったり悪くなったりします。
原因
視覚路に特別な異常はなく、学校や家族、友人関係などの環境におけるストレスが背景にあると言われています。学校での問題がもっとも多く、いじめ、成績不良、転校、部活など、次いで多いのが家庭での問題で、親の抑圧、かまってもらえない、家族間の不和、過干渉などです。性格傾向としては、内向的、消極的、おとなしい、神経質、心配性などがあるといわれていますが、一定の傾向はないとする報告もあります。これらの要素が絡み合って発症すると思われますが、なぜ目に表れるのかはわかっていません。
治療
一般に視力予後はよく、特別な治療を施さなくても比較的短期間で軽快する例も見られす。しかし、長引く例や軽快と再発を繰り返す例もあり注意が必要です。
この病気は、視覚路の障害はないのですから、こちらへの特別な治療は必要がなく、時に応じてメガネを作るなどで十分です。親や医師が目にこだわると、かえってそちらに注意を向けさせすぎることなり悪化することさえあります。それよりも、その背景にどんな社会的な問題があるかを吟味し、解決して行くことが必要です。そのためのカウンセリングが重要となります。 |