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 こころと身体の病気の多くが、検査で異常を見つけることができません。しかしそれは、全く何も原因がないのではなく、それを捕らえる検査が限られているからに過ぎないのです。心療内科の患者様を苦しめる病状の原因には自律神経が関与しているだろうと言われますが、この自律神経の機能検査は一般的ではないので大きな病院でもあまり行われません。実際、CTやMRIで異常がみつからなくても、自律神経の機能検査で異常の見つかることがよくあります。ですから、心療内科医は、内科の知識、精神科の知識とともに、自律神経の構造や働き、検査法、治療法を熟知していなければなりません。このような点が、心療内科医と精神科医の違いなのだと思います。

 心療内科での治療法としては、カウンセリング、自律訓練法、ゲシュタルト療法などの精神療法と薬物療法に大別できます。薬物療法としては、西洋薬とともに漢方薬を重視します。その理由は、患者様を身体ー心理ー社会的に捉える全人的医療の考え方が、病気を心身一如として捉える東洋医学の理念と一致するからです。

 東洋医学では、病気は身体を巡る気・血・水のバランスの異常としてとらえられます。それぞれの要素が、心と身体のかかわりの中で、足りなかったり、多すぎたり、または滞ったりして病気が起こるのです。漢方薬は、こうしたバランスの異常を正すと考えられています。漢方薬は、心筋梗塞、脳卒中といった、いわば出来上がってしまった病気に対してはあまり効果は期待できませんが、先に挙げためまいや自律神経失調症といった検査で異常の現れない病気、生活習慣の乱れによる体調の不良といった病態に対しては効果があります。

 複雑化する社会と高齢化、ますます高度化する医療テクノロジーの流れの中にあって、心療内科を標榜する私どものクリニックが、より多様化する患者さんのニーズの受け皿として機能することを願って止みません。

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