低血圧・起立性調節障害の心理的傾向
性格としては生真面目で、なんでも完ぺきにやりこなさないと気がすまい傾向にあります。そのため、身体はつらいのに頑張りすぎてしまい、そのことが身体的、心理的なストレスとなって自らを追い込んでしまいます。また、周囲の期待に応えたい、いい子でいたいという思いが強いあまり、身体的、心理的なつらさを無意識のうちに無視してしまい、潜在的なストレスを過剰にため込んでしまいます。これは、自己の感情や身体感覚の変化に対する気付きの抑制された状態で、失感情症や失体感症と言われています。これらは心身症にありがちな性格傾向で、低血圧・起立性調節障害が心身症的な側面を持ち合わせている所以です。
低血圧・起立性調節障害の問題点
さきほども述べましたように、低血圧・起立性調節障害は血液循環の問題だけでなく、性格、心理、社会的な要素を合わせ持っています。そのため、単に昇圧剤を投与するといった治療では不十分で、心理面、社会面にも目を向けた全人的な対応をしなければなりません。しかし、そのような認識が患者様側にも医療側にも欠けているためにさまざまな問題が起きています。
たとえば、朝起きれない、憂うつである、という面だけをとらえてうつ病と誤診されて抗うつ薬が投与されたりします。抗うつ薬は循環抑制があるため、低血圧・起立性調節障害の症状を助長させてしまいます。また、周囲の認識不足から「なまけ病だ」と決めつけられ、大きな心の傷を負ったりします。
正しい認識と治療を行わなければいたずらに病状を長引かせ、多大な困難を患者様の人生に負わせてしまうことになります。
治療について
低血圧・起立性調節障害の治療は全人的に行わなければいけません。薬物療法のみといった、ある一面だけを見た治療では不十分で、中でも向精神薬のみによる治療は危険でさえあります。
自律神経・血液循環という点ではエルゴタミン製剤やアメジニウム、ミドドリン、コエンザイムQ10などを使います。全身倦怠や午前の不調の強い場合はビタミンの大量療法を行います。
低血圧・起立性調節障害は複合的な要因により成り立っていると述べましたが、それは身体の血液や水分、そして気持ちのバランスが崩れた状態であるとも言えます。そのような状態には東洋医学が威力を発揮します。漢方薬や鍼灸は、ときに治療のメインとさえなります。
心理・社会的な問題においてはカウンセリングが重要です。患者様本人のみならず、親や周囲の人への病気の理解の徹底をはかり、あらぬ偏見を抱かないようにしていただかないといけません。本人には、病気のメカニズム、性格要因との関連、病状を悪化させているストレス対処のまずさなどを認識し改善していきます。
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