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いろいろな低血圧
 ひと口に低血圧といってもいくつかのパターンがあります。
 本態性低血圧:寝ていても立っていても常に血圧が低く、何らかの症状のあるものです。
 起立性低血圧:寝ているときは正常な血圧ですが、急に立ち上がったりすると血圧が下がり症状を呈するものです。
 症候性低血圧:低血圧が何かの病気の一症状としてあらわれているものです。たとえば、貧血、甲状腺機能低下症、シャイ・ドレイジャー症候群などです。
 低血圧自体が問題の中心となるのは本態性と起立性低血圧で、症候性低血圧は基礎疾患の治療がより重要となります。

いろいろな起立性調節障害
 起立直後性低血圧:寝た状態から急に立ち上がると一過性に血圧が強く下がり、それにともないめまい、立ちくらみ、動悸などの症状の出るものです。重症型では15%以上の血圧低下を認めます。もっとも頻度の高いものです。
 体位性頻脈症候群:寝た状態から急に立ち上がったり、急に体位を変換するような動作をすると脈が早くなるものです。血圧の低下はさほどではありません。起立時の心拍数が115以上か立位を保持したときの心拍数が平均で35以上増加する場合を言います。
 遷延性起立性低血圧:寝た状態から急に立ち上がっても急な血圧の低下はありませんが、起立から数分後に血圧が徐々に低下し、収縮期血圧で15%以上、または20mmHg以上低下するものです。

低血圧・起立性調節障害の症状
 さまざまな症状が見られ、特異的なものはないと言えます。頻度の高いものとして、立ちくらみ、めまい、身体動揺感、失神、頭痛、頭重、肩こり、動悸、息切れ、脈の不整、全身倦怠、易疲労、朝起き不良、午前中の不調、乗物酔しやすい、顔色不良、食欲不振、胃もたれ、集中力低下、不眠、いらいら、不安、などです。

症状の起きるメカニズムは?
 低血圧・起立性調節障害という病態は、単一の原因によって成り立っているわけではありません。血管や血流、自律神経の問題はもとより、性格、親子関係、ストレス、周囲の無理解など、複合的に作用した結果でき上がっていると言えます。そこがこの病気の問題点であり難しいところですが、それは後で触れるとして、ここでは血液循環に絞った原因を述べておきます。
 人は絶えず動いています。寝たり立ったり座ったり、走ったり歩いたり、ときには転んでみたり。そのような複雑な身体の動きがあっても、脳や肝臓や腎臓などの重要な臓器では血圧が一定に保たれていなければいけません。しかし、地球には重力があり、身体の位置によって血圧は変動します。この重力に抗して重要臓器での血圧を一定に保つために、血管は身体の動きに応じて、自律神経である交感神経を介して素早く伸びたり縮んだりします。だから、寝ている状態から急に立ち上がっても、普通はめまいを生じたりしません。この血管の伸び縮みの反応が極端に弱かったり遅かったりするのが低血圧(特に起立性)・起立性調節障害です。
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